イエメン モカマタリ No.9

モカ・マタリ

イエメンの内陸にある標高2000m級の山岳地方、バニ・マタル州産コーヒー豆がモカ・マタリです。

イエメンの港モカから輸出されたコーヒーが広く知られ愛好されるようになったことから、イエメンと対岸のエチオピアから産出されるコーヒーはモカと呼ばれるようになりました。

イエメンでは、コーヒーは生産地区によって格付けがされます。

最上がバニ・マタル(マタリ)、次いでサナア、シャーキ、ホデイダなどが続きます。

特に大粒で欠点豆の少ない等級がアールマッカ、その次にNo.9、以下8、7、6と格付けされます。

伝統的な手法と唯一無二の味わい

コーヒーが世界的に大規模に栽培される以前のその昔、200年に渡って、イエメンはコーヒー豆の唯一の入手先でした。

2021年の人口およそ3049万人のイエメンには、30万ものコーヒー農家があるとされ、そこでは小規模な家族経営の農家が、何世紀にも渡って続く伝統的な生産方法を守りながらコーヒーを生産しています。

斜面に沿って段々畑のように広がるコーヒー農園で薬品を使わずに育てられたコーヒーは、手摘みによって収穫され、コーヒーチェリーの果肉を残したまま、農家の屋上などで広げて天日乾燥されます。

乾燥したコーヒーチェリーは、時に機械で、時にロバやラクダが引く石臼の中で脱穀されます。

オーガニック、そして最もシンプルで原始的ともいえる伝統的な手法で育てられるコーヒー豆は、複雑で豊かな、そして唯一の風味を得ます。

果肉とともにじっくりと乾燥していったコーヒー豆にはドライフルーツの独特の甘い風味が残り、チョコレート、シナモン、カルダモンといったスパイスの風味、時にタバコの香りが感じられます。

ノート

バナナのような甘く柔らかなフルーティさ、気持ちの良い素朴な大地の香り、チョコレート・シナモン・カルダモンといったスパイスの風味、ワインのような芳醇な香りと後味が魅力です。